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栄養評価でいちばん大切なのは「血液検査」ではない!

 ― 真に役立つのは問診と視診 ―

栄養療法を学ぶと、どうしても「血液検査データ」の読み取りに意識が向きがちです。


フェリチン、HbA1c、LDLコレステロール、AST/ALT、TG…


たしかにこれらの数値は、体内の状態を反映した“重要なサイン”には違いありません。

しかし、こういった数値はあくまで“結果”や〝予測〟にすぎません。



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なぜこのような結果が出ているのか?


そこに至るまでの背景や生活の積み重ねを評価するには、


「問診」と「視診」こそが最も重要な手がかりになります。


本記事では、現場で即活用できる「問診と視診による栄養状態の読み取り方」について、実践的に解説していきます。



⸻血液検査は“スナップショット”にすぎない血液データが示すのは、ある一点の瞬間における身体の内部環境です。


• 一時的な脱水でヘモグロビンが高く見える

• 炎症や感染があれば、フェリチンは“仮に高く”なる

• 食事や運動の直後で数値が上下する

• サプリメントの影響が反映されるつまり、血液検査は動的な身体の一瞬を切り取った“写真”のようなもの。


一方で、問診と視診は「生活習慣の累積」や「日常の不調サイン」を通して、より長期的・全体的な評価ができます。



⸻問診と視診で拾う“生活という文脈”問診で見るべき情報は多岐にわたります。


• 食事パターン(頻度・内容・偏り)

• 起床時・就寝前の状態(眠気・気怠さ)

• 排便リズムと便性状(便秘・下痢・膨満感)

• ストレス耐性と感情の起伏

• 生理周期とPMSの有無(女性)視診では、以下のような“目に見えるサイン”を拾っていきます。

• 体格(BMI・除脂肪体重・体脂肪率)

• 肌や爪、髪の艶や質感

• 眼球の動き・瞳孔反応・眼の乾燥

• 姿勢や体の使い方

• 浮腫みや内出血の有無これらを重ね合わせていくことで、血液検査をする前に「すでに見えている栄養の偏り」があることに気づき始めます。



⸻【実践例】問診と視診だけでここまでわかる例えば、次のようなケースを見てみましょう。


• 女性/32歳

• 身長165cm、体重50kg、体脂肪率30%、BMI 18.4、除脂肪体重35kg、FFMI 12.8

• 朝は食べず、昼は菓子パンとサラダ、夜はスープとプロテインバー

• 起床時の強い倦怠感、昼食後の眠気、慢性的な便秘

• 肌荒れしやすく、すぐに青あざができる、爪が薄く割れやすい

• 光に過敏、情緒不安定になりやすいこのような情報があれば、以下のような「推定血液データ」が浮かび上がります。

• 空腹時血糖は90mg/dL未満(80mg/dL以下も)

• 中性脂肪(TG)は50mg/dL未満

• HbA1cは5.0%前後、または鉄欠乏で5.3%以下に“マスキング”されている可能性あり

• AST/ALTともに低値(15U/L未満)または脂肪肝型の高値

• LDLコレステロールは低下傾向(100mg/dL未満)、または無月経による高値

• ヘモグロビンは13.5g/dL未満、フェリチンは20ng/mL未満これらの仮説は、実際の血液検査結果とかなりの確率で一致します。



⸻ではなぜ、血液検査に頼りすぎてはいけないのか?血液データは変動要素が多く、背景が複雑です。


• 同じフェリチン30ng/mLでも、「鉄が足りている人」と「重度の炎症を抱えている人」で意味がまったく違う

• HbA1cが低いからと言って“良好”とは限らず、低血糖リスクのマーカーかもしれない

• 中性脂肪が低ければ「脂質代謝が良い」ではなく、「そもそも栄養が足りない」可能性がある血液データの“数字”だけを見て栄養状態を評価するのは、地図だけで山を登るようなものです。


実際に登山している(=クライアントが生きている)現場=生活習慣を把握せずして、正確な評価はできません。



⸻問診・視診が強い人は「予測」ができる問診・視診の力がついてくると、


「この人は今こういう食生活をしていて、こういう症状が出ている。おそらく血液のデータはこの辺に出るだろう」

という“予測力”が育ちます。


予測が当たるかどうかは問題ではありません。


むしろ、予測と現実のズレを検証することで、評価力と介入精度が上がっていきます。



⸻栄養療法の本質は、“数値”ではなく“背景”を読む力検査データはあくまで参考資料。


その人の生活の“結果”として出てきたものでしかないのです。問診や視診で得られる情報は、その「結果」がなぜ生まれたのかを示してくれます。


そして「どう変えていけばいいか」という改善のヒントもそこにあります。数値だけを追いかけても、クライアントの“暮らし”や“選択”を変えることはできません。


血液検査に頼る前に、“話を聴き、姿を見る”こと。


それこそが、真の栄養アプローチの第一歩なのです。


パフォーマンスコーチ/今野佑人


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ー札幌で問診・栄養評価が受けられるジムー

【パーソナル×ピラティス×栄養指導】88-Performance.


札幌市西区琴似四条7丁目2-11 サッソンビル1階


地下鉄琴似駅から徒歩10分/駐車場2台/営業時間7:00〜22:00「札幌パーソナルジム」「琴似パーソナルジム」「札幌ピラティス」「姿勢改善」「自律神経」「鉄欠乏対策」「栄養問診」などを通じて、多くの方の健康を支えています。体験トレーニング・栄養カウンセリングのご予約は


【88-Performance.公式HP】https://www.88performance.com/

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