身体を鍛錬し続けることの重要性
- 今野佑人
- 5 時間前
- 読了時間: 4分

私が空手道を志し、長く稽古を積んできて分かったことは、
「精神は、肉体の上に宿る」という事実です。
精神と肉体は独立したものではなく、
一つの統合体だと強く感じています。
空手を続けてきた中で、
この現実を何度も見せつけられてきました。
どれだけ「気持ちは強い」と言っても、
どれだけ「根性があります」と自分を信じていても、
身体がついてこなければ、人は必ず折れます。
私自身、東京で修行していた2年目に椎間板ヘルニアになり、
左脚がほとんど動かなくなった時期がありました。
そのときは、さすがに心が折れかけました。
また、これまでにも怪我で身体が弱り、
空手の道を去っていく仲間を何人も見てきました。
経験上、
弱い身体に強い精神が宿ることは不可能ではありませんが、それは極めて難しいことだと感じています。
身体を鍛えるとは、筋力をつけたり、
見た目を良くするためだけの行為ではありません。
それは、
自分の限界と向き合い、
その一線を自らの意志で押し広げていく修行です。
身体が重い日があります。
脚が鉛のように動かない日があります。
疲れ果て、稽古を休みたくなる瞬間もあります。
そのとき心は必ずこう囁きます。
「今日は休んでも良いですよ。」
「無理する必要はないですよ。」
「一度休んでも大して変わりませんよ。」
そして、人はここで二つに分かれます。
毎回この心に負け、限界手前で辞める人と、
毎回この心に打ち勝ち、限界をほんの一歩だけ超える人です。
この差は、その瞬間だけ見れば誤差のようですが、
一年後には明確な差となり、
五年後には埋められない距離となり、
十年後には“別の人生”と呼べるほど違いが生まれます。
これは空手だけの話ではなく、
私は「人生そのものだ」と実感しています。
数ヶ月間、新規予約や入門者がまったく入らない。
病気、転勤、移住などで退会が続き、売上が大きく落ちる。
トラブルが重なり、心が折れそうになる。
口座の残高がみるみる減っていくこともあります。
そんな時でも、身体で限界を超える体験を積んできた人は、精神の限界に直面したときでも、
同じように一歩だけ前に出る力を発揮できます。
苦しいときがありますし、逃げたいときがありますし、
やめたくなるときもあります。
しかし、身体は覚えています。
「それでも私は前に出ました。」
「それでも私は立ち続けました。」
この“身体に刻まれた記憶”こそが、
人を精神的な崖っぷちから救い出します。
そして、身体を鍛えることは、
自己規律が最も正直に現れる場所でもあります。
決まった時間に起きること。
決まった稽古をこなすこと。
決まった食事で身体を整えること。
この「当たり前を守り続ける力」が、
必ず人生のあらゆる場面に広がっていきます。
身体を制御できない人が、
感情を制御できるでしょうか。
欲望を制御できるでしょうか。
怠け心を制御できるでしょうか。
私は、できないと思っています。
逆に、身体を制御できる人は、
無意識のうちに感情も、欲望も、恐怖も、
そして人生そのものもコントロールできるようになります。
私自身、まだまだ修行の身ですが、強くそう感じています。
空手を通して、一つ確信していることがあります。
強くなった子どもは、技術だけが伸びたのではありません。
生きる姿勢が変わり、目が変わり、言葉が変わり、
人への向き合い方そのものが変わっていきます。
それはすべて、
身体を律する習慣が、そのまま心を律する力に変わった結果です。
私が空手から学んだのは、
強さとは気合でも才能でもなく、
身体に刻まれた「逃げなかった回数」だということです。
勝った日よりも、調子が良い日よりも、
むしろ思うようにいかなかった日に、
それでも逃げずに立ち続けた回数こそが、
人の本当の強さを育てていきます。
身体は、決して嘘をつきません。
逃げた回数も、踏み込んだ回数も、
すべて正確に刻まれていきます。
だからこそ、身体を鍛えることは、
肉体的に強くなるためだけではなく、
最も確実で、最も本質的な「心の教育」だと私は考えています。
お子さまがこれから先、
うまくいかない壁にぶつかったとき。
自信を失いそうになったとき。
逃げたくなる瞬間が来たとき。
そのとき支えになるのは、
知識でも、言葉でもなく、
これまで身体に積み上げてきた
「逃げなかった記憶」そのものです。
その記憶は、
大人になっても、社会に出ても、
人生のどんな局面でも、
一生、背中を押し続けてくれる力になります。
正に「心技体」を強くすることこそが、
武道の大きな価値だと私は思っています。
私もまだまだ修行の身です。
日々精進していきます。
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極真世界連合戦士 札幌道場
道場主 今野佑人
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